細胞病理のエキスパートを目指す人へ

樋口智紀、観世子夫妻に第2子誕生です。7月14日に3082g、身長51センチの写真の女の子が無事誕生しました。母子ともに順調なようです。一人っ子の家庭が多い中、にぎやかな明るい大家族を作られることを、健康に成長されることを願っています。  

2014年３月は私にとって思い入れの強い年度末です。神戸常盤大学で細胞検査士養成コースを担当し、３期生を送り出しました。３年間で３４名の受講者から２４名（７１％）の細胞検査士試験合格者を生み出し、社会に送り出しました。写真の４名は私が卒業研究を担当した人たちです。                 また、和歌山県立医科大学では、私が病理学を担当した最後の学年が卒業しました。写真は基礎配属で病理学２を選択した学生で、病理学を楽しんだ人たちです。みんなの未来が幸多きことを願っています。    

2013年前半の論文活動を報告いたします。 論文としては

1. Morioka T, Ohba K, Morita H, Takahashi G, Uchida H, Matsushita A, Sasaki S, Oki Y, Suda T, Kakudo K, Yoshino A: Non-islet cell tumor-induced hypoglycemia associated with macronodular pulmonary metastases from poorly differentiated thyroid carcinoma. Thyroid, 2013 May 23 Epub ahead of print.
2. Kakudo K, Mori I, Liu Z, Hui Z, Kakudo M, Wakasa T: Papillary microcarcinoma and microtumor of the thyroid gland. J Basic & Clin Med, 2:1-6, 2013.
3. Wakasa T, Shintaku M, Tanaka S, Yamada K, Li Y, Kakudo K: Morphological Changes of follicular cells in Hashimoto’s disease: A possible cause of overdiagnosis in cytology. J Basic & Clin Med, 2:12-16, 2013.
4. Kakudo K, Bai Y, Ozaki T, Homma K, Ito Y and Miyauchi A: Intrathyroid epithelial thymoma (ITET) and carcinoma showing thymus-like differentiation (CASTLE). CD5-positive neoplasms mimicking squamous cell carcinoma of the thyroid. Histol Histopathol, 28: 543-556, 2013.

論文2、3を投稿したJ Basic & Clin MedはOpen Access Journalですので、以下のURL:　 http://sspublications.org/index.php/JBCM/index　から見ることができます。この雑誌は和歌山医大と山東大学の最初の留学生単良先生（アメリカNIH職員）が始めた雑誌です。1号には山東大学孔先生、楊先生の論文が掲載されています。2号は私どもから3編（もう1編は中村美砂先生）が掲載されています。 著書としては eBook として、 ‘Clinical Management of Thyroid Cancer’の1章Z Liu, B Han, Y Bai, Y Li, O Nunobiki, K Kakudo: Borderline lesions in the thyroid tumor classification and so-called well differentiated tumor of uncertain malignant potential. Future Science Group, London, 2013.を山東大学劉先生と書きました。

同窓会雑誌６号に掲載される記事の依頼を受けました。紹介いたします。 2011年3月和歌山県立医科大学を辞して、神戸常盤大学保健科学部医療検査学科教授に転身いたしました。今まで和歌山県立医科大学第2病理学（人体病理学）教室で行ってきた細胞検査士養成（20年間で14名が資格認定）を、大学教育として行うことを目的に、神戸常盤大学に現職教授として移動しました。早いものでまる2年となります。細胞検査士養成コースの担当者として、臨床検査技師の育成と細胞検査士の養成を担当しています。4年制大学の医療検査学科で、4回生の1年間を卒業研究と並行し細胞検査士養成コース（900時間）を開講しています。2011年から2年間担当し、1期生、2期生を合わせ、18名が細胞検査士認定試験（日本臨床細胞学会認定資格）に合格し就職していきました。合格率72％（受講生25名）と新規参入のコースとしては健闘しています。今年も13名の学生が細胞検査士養成コースを希望しています。しっかりしごいてできるだけ多く合格させたいと思っています。和歌山県内には臨床検査技師養成の学校はなく、細胞検査士養成のコースもありません。養成コースの学生は、半数が兵庫県以外から集まっています。和歌山県出身の学生も毎年１名程度参加し、卒業後は和歌山で就職する例も多いようです。病院関係者の皆様には、神戸常盤大学学生の臨地実習受け入れ、卒業生の就職など、大変お世話になりありがとうございます。これからも引き続き宜しくお願い申し上げます。 一般に名誉教授となられた先輩の方々は、現職を退いた意識の強い方もおられ、新規の取り組みをあまりされない方もおられるようです。私はそれを避けて、論文発表、学会講演活動も引き続き継続しています。2012年には、以下の英文論文7篇を発表いたしました。日本甲状腺学会が編集するガイドライン『甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013』の作成にも参加しました。これは2年間の編集作業の後、本年南江堂より出版予定です。また自前のホームページ（http://www.kakudok.jp/）に活動報告と第２病理の同門会活動報告、私のライフワークである甲状腺腫瘍診断のコンサルテーション業務も掲載しています。お時間のあるときにご覧いただければ幸いです。 先日は、卒業生に招待され、謝恩会に参加し卒業生だけでなく、お世話になりました皆様とも懐かしいひと時を過ごさせていただきました。和歌山を離れてみますと、和歌山医大の良かったことが懐かしく思い出されます。まだ和歌山に家がありますので、たまには手入れに行きたいと思っています。そのような機会を捕まえてできるだけ和歌山医大の現在を拝見したいと思っています。和歌山医大のご発展と皆様のご健勝を祈念いたします。

1. Kakudo K, Bai Y, Ozaki T et al: Intrathyroid epithelial thymoma (ITET) and carcinoma showing thymus-like differentiation (CASTLE). CD5-positive neoplasms mimicking squamous cell carcinoma of the thyroid. Histol Histopathol, 2012 Dec 11.Epub ahead of print.
2. Kakudo K, Bai Y, Liu Z et al. Encapsulated papillary thyroid carcinoma, follicular variant: a misnomer, Pathol Int. 62(3):155-160, 2012.
3. Kakudo K, Li Y, Taniguchi E et al: IgG4-related disease of the thyroid glands. Endocr J, 59(4):273-281, 2012.
4. Ozaki T, Matsubara T, Kakudo K et al: Thyroid regeneration: characterization of clear cells after partial thyroidectomy.Endocrinology, 153(5):2514-2525, 2012.
5. Li Y, Zhou G, Kakudo K et al: Distinct histopathological features of Hashimoto’s thyroiditis with respect to IgG4-related disease.Mod Pathol, 25:1086-1097, 2012
6. Tang W, Morgan DR, Kakudo K et al: Epstein-barr virus infected gastric adenocarcinoma expresses latent and lytic viral transcripts and has a distinct human gene expression profile.Infect Agent Cancer, 2012 Aug 28; 7(1):21. [Epub ahead of print]
7. Nishigami K, Liu Z, Kakudo K : Cytological features of well-differentiated tumors of uncertain malignant potential: Indeterminate cytology and WDT-UMP. Endocr J, 2012 Jun 30;59(6):483-487, 2012