臨床医の方へ

Borderline/Precursor Thyroid Tumors in WHO Classification

2017/08/21

WHO Classification of Endocrine Organs

WHO Classification of Endocrine Organs

取り組んできました境界腫瘍の提唱が、2017年出版されたWHO甲状腺腫瘍分類に公式に採用されました。今まで良性と悪性のいずれかに分類する必要があったのですが、そのため、診断のブレができる。悪性例の予後解析でも、病期 I期、II期では、コントロール群と差がないという(時には癌の方が長生きできる)という理解困難な結果が出ていました。これからは、境界悪性腫瘍の診断が使用でき、病理診断の再現性がよくなることを期待しています。欧米では多くの場合癌と過剰診断され、全摘+RAI治療がされる不幸な例が多くあったのですが、そのようなことは激減することが期待されます。しかし今でもこの腫瘍を欧米では手術して癌でないことを確かめなければならないと主張しています。私は、手術する必要はないと主張しています。現在投稿中の原稿が出版されましたら、アップしたいと思います。

Borderline/Precursor Tumours in the 4th Edition  2017 WHO Classification of Thyroid Tumours.

2

Hyalinizing Trabecular Tumour

2A

Other encapsulated follicular patterned thyroid tumours

2A-1

Uncertain malignant potential (UMP)

2A-1-1:Follicular tumour of Uncertain malignant potential (FT-UMP)

2A-1-2:Well differentiated tumour of Uncertain malignant potential (WDT-UMP)

2A-2

Non-invasive follicular thyroid neoplasm with papillary-like nuclear features (NIFTP)

NIFTP 特集

2017/03/19

NIFTP (non-invasive encapsulated follicular neoplasm with papillary-like nuclear features) の特集を Journal of Basic and Clinical Medicine (http://www.sspublications.org/index.php/JBCM/index) に公開しました。WHO分類第4版に採用予定の甲状腺腫瘍、境界病変です。しかし、2016年にニキフォロフらにより提唱された新しい疾患概念であるため、細部にはまだ多くの不明な点があり、詰めなければならない未解明な点、解決しなければならない疑問点が多数あることが、特集からお分かりいただけると思います。

NIFTPがとうとう出版されました。

2016/04/15

ニキホロフ教授による国際ワーキンググループの成果がとうとう日の目を見ました。4月14日付で、JAMA Oncolに出版されました。Open Accessですので、どうぞご覧ください。同時にエディター(Patel, KN)のコメントも追加されました。驚いたことに、The New York Timesが、http://www.nytimes.com/2016/04/15/health/thyroid-tumor-cancer-reclassification.html. さっそく取り上げてくれました。これで、甲状腺病理診断が変わると考えています。

第15回国際甲状腺学会、米国オーランド市

2015/11/13

10月18日から23日にフロリダ州オーランドで国際甲状腺学会が開催されました。眼科のガリティー教授(メーヨ医科大学)、膠原病内科のKhosroshahi教授(エモリー大学、名前の発音が分かりません)とともにIgG4関連疾患のシンポジウムを担当しました。李先生、隈病院西原先生、和歌山医大竹島先生、山下クリニック猪俣さんたちとの共同研究で進めてきた、『IgG4甲状腺炎』について、このIgG4甲状腺炎の疾患概念を確立するために、私にとっては、和歌山医大での仕事を、この国際学会で、まとめとすることができました。このIgG4甲状腺炎の疾患概念を、欧米で受け入れてもらえず苦労した原因はたぶん(原因は分かりませんが)IgG4甲状腺炎、IgG4関連疾患が、日本人に多い病気、欧米ではたいへん少ない病気であることが、原因ではないかと思っています。本学会では日本から多くの参加者、発表があり、地理的、人種的違いによる疾患の違いや、社会的背景、宗教観、論理的思考の違いなどからくる治療方針に違いがることなど、多くの意見交換がなされました。日本からは隈病院の甲状腺微小乳頭癌のシンポジウム、宮内昭先生のAOTA受賞講演、鈴木教授の福島原発事故後の甲状腺検診報告、など、一時代を画する国際甲状腺学会でした。

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第48回甲状腺外科学会学術集会(東京)

2015/10/31

鳥屋先生

48回甲状腺外科学会

第48回甲状腺外科学会学術集会が伊藤病院伊藤公一会長のもと開催されました。病理が関与する内容として、癌取扱い規約の改定が公表されました。ここではべセスダシステムが甲状腺細胞診に採用されると発表されました。加藤、廣川、亀山先生たちと私の4名の病理医が尽力し、日本で独自に発達した甲状腺診断様式を、The Japanese System(日本方式)として命名し、日本甲状腺学会より発表したのですが、残念なことに、これは採用されず、これと異なるべセスダ診断様式(アメリカ様式)を、癌取扱い規約に採用すると公表しました。The Japanese Systemは、写真の伊藤病院の鳥屋先生が尽力された伊藤病院で発達した診断方式です。伊藤公一会長の主宰されたこの学会で伊藤病院の診療の伝統を否定する内容が公表されたのは、何という矛盾なのでしょうか。日本独自の文化、哲学、診療方針を大切にしてほしいと思いました。しかし公表された内容を見ると、 1)嚢胞は、検体不適として再検査するべセスダ様式は採用しない。2)診断名は直訳は分かりにくいので短縮形を用いる。3)濾胞性腫瘍の診断基準を変更する。4)悪性の確率を示さない。5)臨床的対応を示さない。などべセスダ診断様式と呼ぶことができないほどの多数の重要な変更点を加えたものとなっています。1)2)3)については、どちらかというと日本甲状腺学会の診断様式(The Japanese System)に近いと思われます。また4)5)については、The Japanese Systemはべセスダに準拠し悪性の確率を推定し、臨床的対応にも言及しています。2つの診断様式を比較した時、べセスダに近いのはThe Japanese Systemの方かもしれないと思いました。The Japanese Systemは、べセスダとの互換性を意識し、違いを強調し発表いたしました。癌取扱い規約ではべセスダを意識し、名前をべセスダにしたのですが、結果的には似て非なるものかもしれません。
ResearchGate(Kennichi Kakud) Better Treatment 最適医療 (社) 日本病理学会 教育委員会編集 病理コア画像 和歌山県立医科大学人体病理学(第2病理学)教室 バーチャル臨床甲状腺カレッジ