2013年6月
甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013
2013/06/22
日本甲状腺学会編集の甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013が、本年南江堂より出版の運びとなりました。2008年より5年間の歳月を費やして中村浩淑委員長のもと29名の委員が取り組みました。病理学会からは、加藤良平、亀山香織、廣川満良とわたくしが加わりました。この内容には細胞診断の診断様式が取り上げられています。日本病理学会では、6月6日札幌での甲状腺病理学会コンパニオンミーティングで取り上げました。まだまだ認知いただけるまで時間がかかりそうですので、11月大阪国際会議場で開催されます第52回日本臨床細胞学会秋期大会シンポジウムとして取り上げたいと思っています。興味のある方は是非ご参加ください。また9月26日に名古屋で開催される第46回甲状腺外科学会でも一般講演ですが、紹介したいと思っています。また、11月和歌山での甲状腺学会でも取り上げていただきたく考えています。細胞診の変更点は以下の通りです。日本甲状腺外科学会編集の「甲状腺癌取り扱い規約」に記載された米国細胞学会が推奨した細胞診断様式(パパニコロウ協会様式)に3点(1.鑑別困難を2分した。2.濾胞性腫瘍を疑う群を悪性の確率から亜分類することを推奨した。3.カテゴリーごとの悪性の確率を示した。)修正を加えたものである。甲状腺結節取り扱い診療ガイドラインでは、細胞診断に基づく臨床的対応についても記載している。日本と欧米の甲状腺癌の予後と治療方針に違いがあるため、日本独自の診療方針と治療方針との間で整合性を保つため、欧米の細胞診断様式と以下の3点で相違点が生じた。1)嚢胞性病変の取り扱い(上皮細胞が6集塊以上ない時は検体不適とするか良性と診断するか)。2)乳頭癌を疑うが、乳頭癌と断定的に診断できない病変の取り扱い(悪性疑いとするか、鑑別困難とするか)。3)濾胞性腫瘍を疑う時の取り扱い(細胞診のみを根拠として手術適応とするか、画像所見を参考に手術適応を決定するか)。
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