病理医の方へ

病理医と臨床医のコミュニケーションギャプは、患者にとって有害です

2025/09/04

今まで、病理医間の診断のブレや、患者に向けた甲状腺癌の説明を中心に文章を掲載してきましたが、病理医と臨床医の間のコミュニケーションギャプに焦点を置いた日本語の論文を2024年に書きました。
今まで掲載していませんでしたので、ここで紹介いたします。


北山尚美先生と書いた『甲状腺癌の過剰診断を防ぐためにはリスク評価が必須である。-患者の視点から見た-甲状腺癌の診断』(内分泌外科雑誌)が、問題提起の論文で、当方が筆頭著者の『正確なリスク分類が甲状腺癌の過剰診断を抑制する。』(Lab Clin Pract)が、その回答編です。
異なる雑誌に掲載することとなり、残念に思っていました。
問題提起と解決策の提案を同時に読んでいただきたいと、ここに並べて掲載いたします。


「甲状腺癌の過剰診断を防ぐためにはリスク評価が必須である。-患者の視点から見た-甲状腺癌の診断」(内分泌外科雑誌)

「正確なリスク分類が甲状腺癌の過剰診断を抑制する」(Lab Clin Pract)

category: 病理医の方へ , 臨床医の方へ comment: (0)

WHO Editorial Board Meeting in Lyon

2025/07/07

フランスリオンで、WHO細胞診シリーズ第1版、頭頸部腫瘍の編集会議が開催されました。 これから10月までかけて、編集がすすめられます。出版は2026年半ばとなるでしょうが、多くの国から独自性の高い診断様式が乱立している現状を変えようとしています。どこに国際基準を設定するか大きな対立があります。国ごとの事情の差に驚くばかりです。甲状腺細胞診だけでなく、多くの分野で病理診断、細胞診断、臨床ガイドラインが国ごとに異なることを知ったうえで、診療に携わらなければいけないと考えています。
WHO Lyon

WHO Cytopathology Head and Neck

 

ICC2025 Florence

2025/07/07

ICC2025

ICC2025

イタリアのフローレンス(フィレンツェ)で、国際細胞学会が開催されました。『Cytopathologic and Molecular Characterization of Thyroid Nodules』というタイトルで、シンポジウム発表を担当いたしました。欧米とアジアの違いを強調し、結論は:
1.Treatment de-escalation must be considered both at the population and individual level.
2.One of the de-escalation strategies at the individual level is active surveillance (AS) of low-risk small PTCs.
3.Exclusion of high-risk thyroid carcinomas from AS is essential for ensuring that clinically significant cancers are not missed.
4.Cytopathologists play a key role in the successful AS of low-risk PTCs.
と述べました。
 

category: 同門会 , 病理医の方へ comment: (0)

劉先生が甲状腺腫瘍研修会を上海の第6人民医院で開催しました。

2024/09/15

劉先生が(コロナで対面での会が中断していた)甲状腺腫瘍研修会を上海の第6人民医院会議室で開催しました。和歌山県立医大第2病理学に留学していた北京がんセンター白先生、北京大学医学部病理学主任教授韓教授、二人の山東大学での主任教授周名誉教授が参加してくれました。上海で第2病理同門会を開くことができました。 私は教育講演『High-Grade Thyroid Carcinomas in the 5th Edition WHO Classification of Thyroid Tumors. – How to identify high-risk carcinomas for immediate surgery and low-risk thyroid carcinomas for active surveillance –』を講演しました。教材標本の収集や、研究目的の組織標本、遺伝子標本(腫瘍バンク)、予
韓先生(左)、周先生(左から2人目)と劉先生。

韓先生(左)、周先生(左から2人目)と劉先生。

後などの臨床データの集積は、病理学だけでなく医学研究に重要です。劉先生が中心となり、全国組織として中国で症例集積組織が立ち上がりました。
白先生、劉先生と。

白先生、劉先生と。

鄭州市で旧知の喬先生から招待いただき、甲状腺髄様癌の診断を講演しました。

2024/09/14

鄭州市で旧知の喬先生に招待いただき、9月3日に『甲状腺髄様癌の診断』を講演しました。喬先生は、私が36歳の時、1984年に、兵庫医大病理に研修に来訪され、現在88歳で元気に病理診断に従事されています。スマホを使いこなし、術中迅速診断の遠隔診断を駆使されています。 鄭州市は、洛陽の近くで、竜門石窟があります。喬先生の息子Qiao Wenhuiさんが、案内を引き受けてくれました。
竜門石窟でWenhui君と

竜門石窟でWenhui君と

河南省がんセンター病院で教育講演

河南省がんセンター病院で教育講演

 
ResearchGate(Kennichi Kakud) Better Treatment 最適医療 (社) 日本病理学会 教育委員会編集 病理コア画像 和歌山県立医科大学人体病理学(第2病理学)教室 バーチャル臨床甲状腺カレッジ