3月2日最後の病理学会理事会を終えて

2012/03/03 00:08

病理学会理事会が、東京で開かれ参加しました。65歳定年制のため、私が理事として、編集委員会委員長として参加する最後の理事会になります。色々思いもありますが、選挙公約としたことがほとんど実現できず病理医の皆様に申し訳なく思っています。理事の間で共有する病理学会の課題はそれほど違いはないと思っているのですが、問題解決に向かう取り組み方は大きく食い違っていたため、病理学会の長期低落傾向に歯止めをかけるような、方針転換や大改革ができず、過去の延長線上の修正に終わったことは残念です。 今度の理事会での明るいニュースは、対外的には、病理医の地位向上に小さな進歩がありました。稲山先生、根本先生らのご尽力で、保険点数の改定で、1)細胞診断で液状検体処理(LBC)加算が85点認められたこと。2)病理診断管理加算が1人常勤病理医で120点、2人以上の常勤病理医で320点が認められたこと。3)細胞診断管理加算1人常勤病理医で60点、2人以上の常勤病理医で160点が認められたことです。これらは病理医の職場拡大の一助とはなると考えます。しかしHER2標本作製料が2700点に増点された反面、病理組織標本作製、組織診断料、細胞診断料が引き下げられました。日本経済の改善が待たれます。過去の任期を振り返りますと、これら以外では、会員の皆様にとっては、会費の値下げと、学会誌のオンライン化も大きな変化です。高橋PI編集長の努力により英文誌PIがIF:1.5を超えたことも大きなニュースです。教育委員会委員長として改訂した病理コア画像第2版が予想を超えて多くの方々からご利用いただいたことは望外の幸せです。改訂に協力いただいた委員各位、若手病理医の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ご支援いただいた病理医の皆様、ご期待に答えられず申し訳ありません。

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