NIFT
2015年3月20日、21日米国ボストンにて、写真の病理医24名、臨床医3名、患者代表1名が集まり、現在癌とされている甲状腺腫瘍(被包型乳頭癌濾胞亜型の浸潤転移のないもの)の呼称を変更する会議がもたれました。この腫瘍は米国で癌として治療され、相当数の患者が、甲状腺全摘出、放射性ヨード治療を受けていました。しかし、24名の病理医で再検証した109例の症例(14年経過観察、放射性ヨード治療をされなかった症例)の予後から、再発転移が起こらないことが確認され、この確認を受け、
NIFT (non-invasive follicular thyroid neoplasm with papillary-like nuclear features)と呼称を変更することが決定されました。癌が良性の前癌的病変に変更される歴史的場面に立ち会えたことを喜んでいます。これから多くの患者の治療にインパクトがあることを期待します。患者が診断名に意見を述べたり、臨床医が注文を付けたりするのは、日本ではない光景でした。