甲状腺結節取扱い診療ガイドライン

2013/07/30

甲状腺学会編集、甲状腺結節取扱い診療ガイドラインが南江堂から出版されました。甲状腺穿刺細胞診と病理診断の問題点について我々病理医4名で取り組みました。ここでの新規軸は、甲状腺穿刺細胞診の診断様式に、伊藤病院、隈病院など日本の甲状腺専門医療機関で開発された診断様式を取り上げたことです。一般病理医、細胞検査士に同レベルでの診断がどこまで可能かと疑問が投げかけられましたが、わたくしは可能と強くはねつけました。是非病理専門医、細胞診専門医、細胞検査士の方々は、ご一読いただいて、甲状腺専門医療機関の独自に開発した診断様式の趣旨をくみ取っていただきたいと思います。細かいことは省略いたしますが、現在欧米で普及しています、べセスダ診断様式、英国様式と診断用語や、臨床的対応に違いがありますが、細胞所見には全く違いがありません。どの診断用語を用いるか、臨床側パートナーとご相談の上お決めください。このHPにご意見を頂ければ幸いです。具体的には、嚢胞液が得られた検体で、濾胞上皮細胞が6集塊得られないとき、べセスダでは全例再検査、検体不適の診断となります。甲状腺学会のガイドラインでは、嚢胞液が確認されれば、良性と診断し、画像で悪性も考えられる例のみを再検査とします。画像診断が進んでいる日本の実際的な方針です。

ResearchGate(Kennichi Kakud) Better Treatment 最適医療 (社) 日本病理学会 教育委員会編集 病理コア画像 和歌山県立医科大学人体病理学(第2病理学)教室 バーチャル臨床甲状腺カレッジ